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(ツンデレじゃない気がします。)
(ビルがへたれただけ)


「貴方は駄目」

それに私が欲しいのはアリスよ、とため息を吐く彼女の小さな右手には身の丈程もある鎌。刃先には幾重にも塗り固められた血がこびりついている、彼女が愛した人の数だけ。
(首狂いの女王様)
アリスが安定していく事に不安定になる此の世界に自分、もしくは彼女が存在するのかはわからない。短く、途方もない時間を過ごすうちの芽生えた感情を吐露するのは簡単で、しかし彼女の目には一人(もしくはひとつ)しか映らない。
いつか消える存在ならば、彼女によって消されたいなど思わない。世界はアリス、私の全てはアリス。
それでも、

「ねぇビル、貴方の首を飛ばしたら、また生えて来るの?」

「生えないでしょうね」


(永遠など要らない。幸福は全てアリスのもの。それでも欲しい刹那。)


「じゃあ要らないわ」

つまらなそうなブロンドの髪。伏せられた青の瞳には二度と映らない。
さって行く後ろ姿はいつだって。
(鎌には彼女が愛した数だけの)


「では猫を愛していたのですか?」


その自分の声は悲鳴にも似て。(聞こえなければいい)(と願った)ドレスの裾を浮かせ、くるっと振り返った彼女の唇は、わなわなと震えて、鎌を握る小さな指先を白くさせた。
それから離れた分だけ近付き、私を睨む。彼女は何もいわない、ただ、鎌をにぎりしめる。
私はうやうやしく頭を下げて彼女の目の前に首を差し出した。鎌が(わかる)振り上げられる(私の)振り下ろされる。

(祈りにも似た全ての愛を、どうか)


私は目を閉じた。



「女王が鎌で人を殴ったの始めて見たよ、アリス」

「愛よ、愛」




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(吐き気がする)


古泉、と彼が僕の名前を呼ぶ時、意識か無意識かは知らないけれど、いつも彼の眉尻はピクンと動く。始めはあまり心象の良くない僕の名を呼ぶ不愉快から来るものかと勝手に想像していたが違うらしい。そこまで彼はひどい人間では無かったし、僕もそこまで嫌われているということでも無いらしい。その事実は僕にそれなりの歓喜を与え、ここが部室で涼宮さんがいるにも関わらず僕の頬は緩みっ放しだった。
そんなに嬉しいのか。
掠れるように紡ぎ出された声は、彼が置いた黒のポーンに紛れて消えそうになっていた。それでも聞き取れたのは彼の声であったから。世界に不穏と奇妙を打ち込む神の引き金の一つであり、世界・未来・宇宙という統べての決定権を所有する声はどんな囁きであれ、僕は聞き逃さないように注意する。しなければならない。この僕自身が生き残る為に。僕の好きな人を生き残らせる為に。なんて馬鹿馬鹿しい、そして少しだけ。
(僕の周り全てが空虚な妄想であり、結論の読めない自己論であることなど僕はわかっている。)
3年前から変わらない、願えど進めど僕は何も手に入れられない。神はそんなことを望んでいないから。だからこそ何よりも愛しくて、誰よりも触れたくて。だからこそ、世界も未来も宇宙でさえ守りたい。だからこそ、僕は黙秘し、彼の嫌がる笑みを貼り付けて、彼の呼び掛けに応える。いつだって、そう。

「…疲れてんのに、無理して笑うなキショい」


死ねばいいのに。彼の好意を裏切る僕なんて、





(書こうと思っているエクス×ランスの長編文)
(え、なんで今出すの?)



「ランス王……」

あれほど光沢を放っていた白の鎧は土で曇り、同じ色のマントは破れ、赤に滲んでいる場所さえあった。
遠めから見ても風に靡く様が美しい銀糸はベタベタと重い。潔癖とまではいかないが、やたらと身なりや周囲を小綺麗にしたがるエクスにしては信じられない姿だ。
それでも変わらない己を抱く腕の強さ。ひどく愛しいと訴えるのはエクスか、それとも。

(くっせぇ……)

土の匂い、砂の匂い。風、草、それから火薬と乾いた血と消毒液の匂い全てがツンと鼻につく。
それでも、いつもハーレムにいる誰より甘ったるい匂いをさせていたエクスの香りがしない。その事は何故か心をぎゅうと掴んだが、息も吐けぬ戦地帰って来たばかりという、少しばかりの安堵感をランスに抱かせた。

「ランス王」

「……んだ」

「薄汚い男に、薄暗いこの庭で劣情のまま抱かれるか。それか身を綺麗に整えた後に、ふかふかのベッドの上で激しく揺さぶられるか……どちらがいいですか?」

「なっなぜ俺様の神聖なるハーレムに貴様なんぞを…ッ」

「待てない」

その声はひどく焦燥に満ちていて。
ああ、この鎧の下にどれ程の傷を付けたのだろうと、誰よりもランスを求め、あまりの熱さに全てが枯れたような感触さえ味わったあの少し焼けた肌はどれ程傷ついたのだろうか無性に知りたかった。
また求められるのだろうか。あの肌に。エクスに。

「え、エクス」

「ランス…」

「ラ・ン・ス王だ」

「失礼、ランス王」

律義に言い直す瞳には服従や忠誠は宿っていない。
体をねっとりとまさぐる手を許諾している時点で答えは出ている。

「き、貴様程度に、俺様の神聖なる夜を邪魔させる訳にはいかない。」

今、此所で。

最大の譲歩として呟いた声は思った以上に枯れて、聞こえたかどうかも定かではなかったが、一瞬だけ離れた腕とどうしようもなく強く押さえ付けられた唇だけがエクスの解答を示していて。

「ランス…ランス」

「ん……五月蠅い、一度言えばわかる」

「ごめん」


子供のような声。それは何に対しての謝罪か、分からなくも無かったが謝れる筋合いなど無い。
誰よりも求めていたのは、一人の夜に待っていたのは、息も吐けない程に焦がれていたのは。

(違うっこれは俺様じゃねェ!!俺様の……)

「ァあッ!?」

するり、と蛇の様にランスの股下にエクスの腕が入り、布の上からハイパー兵器を握った。

「ランス…」

エクスの澄み切った青鋼色の瞳に、確かにランスは写っていた。
ランスは好きな男を目の前にした自分がどんな姿をしているか初めて知った。


……………



はい打ち切りー。
(えろなんて書けないよ!!)


何だかんだで書き上げられそうにないので今UP。貧乏性で悪かったわねー。



(需要より供給したい脱兎)

(珍しくつぶれてるのは目だけ)
(ただし風魔さん女体化)

(つかかなり微妙)


声を聞かせて氏政様。あなたの声を。私の世界、主様。少し甲高いあなたの声は叫ぶと喉からきいきい音がして。そして、いつでも怯え、震えていたあの声を。風魔、風魔や。私を呼ぶ声、その声が耳に響く時、土に水が染み込むように私の中身はあなたで満たされる。空っぽの中身。私のすべてはあなたで出来ている。


(だから)
(氏政様の中身は)

(私に)


普段は触れも出来なかった(願わなくとも)腕に、肉は無く、皮と骨で手のひらに力を入れればぽきりと折れてしまいそうで(そんな事)怖い(怖い怖い怖い怖いぃいいいいイ!!!!)薄い布団の上に体を横たえるあなたの顔は見えない!白い、白い布があなたを遮るのは何故!!
どうか、どうか声を聞かせて氏政様!私の世界、主、愛しい人!!腐り落ちた瞳ではあなたを見れないのだから声を聞かせて私を呼んで!!

(風魔)

(年寄りに、この夏は)


声を聞かせて、氏政様。



.


(書きやすさは手塚が一番)
(ゲロ甘ェ!!!)


夕暮れに照らされてじっとりと、ナメクジのように汗が這う。額から頬へ。
夏の暑さにより、少しだけ急になった斜面を伝い顎へ。
手塚の心音を聞くように当てている頭を少しだけ上に向けるとその一連の動作が良く見えた。
表情筋の活動が乏しい、どっかの後輩達には鉄だ氷だと揶揄される整った顔が、汗を掻くなんて些か信じられないが、こんな近くで見せられたら信じる他ない。(いや氷だから暑さに弱い?)(手塚は嘘なんて吐いてない)

「……暑い」

「……直ぐに涼しくなる」

クーラーの風も扇風機のコンセントも届かない縁側で何を言うと思ったけど口には出さない。億劫なだけじゃない。はず(そもそも何がどうしてこんなコアラの逆Ver.みたいな格好で私が手塚といるかなんて、めんどくさいから省かせてもらう)(めんどくさいだけ)
気温が下がるという意味での涼しさは、ぶらーんと軒先に吊されながらも、チリチリと鳴る風鈴が流れる微かな風を教えてくれる。
もう夜も随分涼しくなった。まだ扇風機は手放せないけど、クーラーは効き過ぎる。
だからといって、まだ太陽が昇る現在でこの体勢は暑い。お互いの体がどうだ!と言うほど密着している上、触れ合った部分が焼けるように熱い(この深い理由も省く)

「手塚」

手塚が。手塚が私を呼ぶ時、あの堅い低い声が、より強張ったように響くのがたまらなく好きで仕方ない。
まるで私が絶対言えない想いを代弁してくれるような気がするから。声、腕の中、合わされた背中と腹。包みこむように支えられた手のひらにはまた汗が。

「宿題終わって無いんだ」

「今年は手伝わない」

掠める声でさえ。

縁側から見える景色はひたすらにうっとうしい。伸び放題伸びた枯れ草。西日を浴び切った手塚の自転車。合間に見える転がったパンクした車のタイヤ。今大音量で響く蝉の声はいつかひぐらしに代わり、秋がやってくる。

「圭ちゃんもえ―……」

「いや、魅お」

「……乳魔神め」

「いはい」


摘んだ頬はひんやりとして、(あれだけ汗を)(かいて)堅かった。手塚の顔がより近付く。
テニスして焼けた飴色の肌。やたら長い睫毛。光を通す柔らかなの褐色の瞳と同じ色の髪、掛けられたシルバーフレームの眼鏡がかちゃりと鳴る。すっと通った鼻がじゃれるように首に擦り付けられて、一瞬だけ息を吸う。
耳に響く。

「冷たくなったか」


そんな目で、何を。




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