(書こうと思っているエクス×ランスの長編文)
(え、なんで今出すの?)
「ランス王……」
あれほど光沢を放っていた白の鎧は土で曇り、同じ色のマントは破れ、赤に滲んでいる場所さえあった。
遠めから見ても風に靡く様が美しい銀糸はベタベタと重い。潔癖とまではいかないが、やたらと身なりや周囲を小綺麗にしたがるエクスにしては信じられない姿だ。
それでも変わらない己を抱く腕の強さ。ひどく愛しいと訴えるのはエクスか、それとも。
(くっせぇ……)
土の匂い、砂の匂い。風、草、それから火薬と乾いた血と消毒液の匂い全てがツンと鼻につく。
それでも、いつもハーレムにいる誰より甘ったるい匂いをさせていたエクスの香りがしない。その事は何故か心をぎゅうと掴んだが、息も吐けぬ戦地帰って来たばかりという、少しばかりの安堵感をランスに抱かせた。
「ランス王」
「……んだ」
「薄汚い男に、薄暗いこの庭で劣情のまま抱かれるか。それか身を綺麗に整えた後に、ふかふかのベッドの上で激しく揺さぶられるか……どちらがいいですか?」
「なっなぜ俺様の神聖なるハーレムに貴様なんぞを…ッ」
「待てない」
その声はひどく焦燥に満ちていて。
ああ、この鎧の下にどれ程の傷を付けたのだろうと、誰よりもランスを求め、あまりの熱さに全てが枯れたような感触さえ味わったあの少し焼けた肌はどれ程傷ついたのだろうか無性に知りたかった。
また求められるのだろうか。あの肌に。エクスに。
「え、エクス」
「ランス…」
「ラ・ン・ス王だ」
「失礼、ランス王」
律義に言い直す瞳には服従や忠誠は宿っていない。
体をねっとりとまさぐる手を許諾している時点で答えは出ている。
「き、貴様程度に、俺様の神聖なる夜を邪魔させる訳にはいかない。」
今、此所で。
最大の譲歩として呟いた声は思った以上に枯れて、聞こえたかどうかも定かではなかったが、一瞬だけ離れた腕とどうしようもなく強く押さえ付けられた唇だけがエクスの解答を示していて。
「ランス…ランス」
「ん……五月蠅い、一度言えばわかる」
「ごめん」
子供のような声。それは何に対しての謝罪か、分からなくも無かったが謝れる筋合いなど無い。
誰よりも求めていたのは、一人の夜に待っていたのは、息も吐けない程に焦がれていたのは。
(違うっこれは俺様じゃねェ!!俺様の……)
「ァあッ!?」
するり、と蛇の様にランスの股下にエクスの腕が入り、布の上からハイパー兵器を握った。
「ランス…」
エクスの澄み切った青鋼色の瞳に、確かにランスは写っていた。
ランスは好きな男を目の前にした自分がどんな姿をしているか初めて知った。
……………
はい打ち切りー。
(えろなんて書けないよ!!)
何だかんだで書き上げられそうにないので今UP。貧乏性で悪かったわねー。
(需要より供給したい脱兎)
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