(信濃!)
(長篠銃撃戦辺りかもしれない)
触れ合うことで与えられる愛しさを、そんなもの本当は意味がないのだと教えてくれたのは貴方だった。流れ行く景色が焦土に変わり、屍が這いずり回る世界は愛せなかったけど、そこには必ず貴方が居た。(言葉に出来ない懇願や必要とされることのない身を持て余す日々が嫌で嫌で、手に取った武器の重みに気づかない振りをして貴方を望んだ、)振りをした。)
それでも毎日顔を出すどうしようもない寂しさや、どんどん離れていく姿が平素胸を貫いたけどそれでよかった、本当によかっ(本当はもっと望んだ、愛されること、傍に居れること、もっともっともっと)それでいい、振りをした。
己の浅ましさ(と惨めさ)に何度も吐き気がした、変わらぬ現実(と見えない理想に)に眩暈がした。それでもたまらなく貴方が好きだった、愛していた。それだけは自信が持てた。
「帰」
――そんな風に聞きたい訳じゃないんです上総介様。
気が触れそうな程の濃霧は絶望しか見出せなかったけど、そんな世界を貴方は求めていない。そう、忍ごときに揺るがされる貴方ではない。(揺るいだのは)(誰)(血に酔っていた)(誰)(誰)(誰よ!)似合わない。貴方には似合わない。私は望んでいない。視界を埋め尽くす白も、貴方から流れる赤も、私が握りつぶせば途絶えてしまいそうな脆い、
「いや、」
「き、」
「いやです、いや、いやいや」
「ちょう」
(触れ合うことで与えられる愛しさを、そんなもの本当は意味がないのだと教えてくれたのは貴方だった。それでも与えてくれたのは貴方だった。この世で唯一になりたかった。私が望むように。(触れて欲しかった訳じゃない、名を呼んで欲しいなど思ってない。血にぬれる体も、消えない硝煙も、いつまでもぬめつく手のひらも、影さえ踏めないこの距離も、届かない声も、呼ばれない、)(そんな)(違う)似合わない。(安堵したように私の名前を呼ばないで!!)触れ合うことで与えられる愛しさを、誰よりも感じたかった。
心の奥よりずっと深くから滲み出るように湧き上がるこの感情は、
「き、ちょう」
(絶望ではなかった。貴方のいない世界程の、)
信濃と言えば信長様を即座に殺してしまうzuizuiのばかばかばか。ついでにまだまだスランプばかばかばか!
やり直したいSSその②!
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