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人が恋に落ちる瞬間とはどういうものか

30文字以内(句読点を含む)で答えよ




「好きです」




にっこりと、いつもと何ら変わらない様子で大和祐大は微笑んだ

私のバックにさんさんと輝く夕日のようなサングラスが甘く光り、眩しい

私は目を凝らすように(大和祐大から見れば睨んでいるように見えたかもしれない)してそのサングラスを覗く

オレンジ色は不透過で私に真実を見せてくれなかった



「君の瞳が好きです」

「………ピンポイントのみですか」

「かもしれません」



大和祐大はにっこりと憎らしい程綺麗に微笑んだ

しかし、やはりと言っていいのかオレンジの丸いグラサンをしているのでその目が微笑んでいるのかわからないかった

私はゆっくりと視線をずらそうとするが、上手くいかず、それでも諦めずによりしっかりと大和祐大の瞳の中を覗こうとした

……てゆかさ、おかしいよね、ガクランにグラサンって、よく竜崎先生が怒らないな
そんな馬鹿げた事を私はボーっと頭の隅で考える

そんな私を見て大和祐大はもう一度にっこり微笑んだ



「君の瞳がとても好きです」

「……へいへい(女として見てねーよ、その台詞)」

「美しいとは思いませんが?その烏のような黒」

「生ゴミ臭いって言いたいんですか」

「それは被害妄想です、都会の烏は不味いですが、田舎の烏は肉がぎっしりしててとても美味しい」

「一応都会の烏なので食べないで下さい」

「貴女なら烏であろうと食べますよ」

「カニバリズムは引きます」

「比喩ですよ、それに私がすきなのは君の瞳」



そういって大和祐大は私に一歩だけ近づいた

私は一歩下がろうとするが、足が動かない

丸いオレンジのサングラスが眩しい、まるで夕日がそこにあるみたいだ

焦がれても、手を伸ばせない

見つめられたなら、動けないほどに




「そんな、君の瞳の中に唯一存在できる瞬間、―――冥福ですよ」





そう言って大和祐大は真顔を見せた

おいおい違うだろ、ここはにっこり微笑んでだな、と私は眉間に眉を寄せた

それをみて、大和祐大はプッと吹き出した

私は眉を寄せる




「ズルイ」

「男と言う物はそんなものです」

「そうですか」

「さて」

「何です、私さっさと家に帰りたいです」

「後少しです、エンディングまで傍にいてくださいよ」

「じゃ、どぞ」

「君にとって恋に落ちる瞬間とはどういうものか、僕だけに教えてくれません?」

「……」

「ちなみに僕は――、ああ、さっき言いましたね、帰宅をせがむ君の為に省きましょう」

「………ズルイ」

「性分ですよ」



ですからねー、ととても間延びしたように大和祐大は笑う

オレンジの光が差し込む

遠くで野球部の掛け声が、テニス部のボールの音が聞こえる





「貴方が私に恋に落ちる瞬間を教えてください」




こうやって会いに来るのは楽しいのですけれど

やはり、実が結ばれないとつまらないですから

そう言って大和祐大は笑った

スガスがしいほどの笑みだった

その笑みに降参したのか根負けしたのか馬鹿らしくなったのか(多分、馬鹿らしくなった)私は一歩踏み出して、目の前の大和祐大の肩に手を置きぎりぎりまで顔を近づけた

それをみて大和祐大はとても嬉しそうに微笑む

私は瞳を閉じて言った





「貴方の瞳の中に、私の瞳が見えたときです」





その瞬間、狙い済ましたように唇に舌先が触れたのは、(悔しいので)既知のうちとでも言っておこう





またまたサルベージin大和

ちょっぴり加筆修正


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コメント

無題

2006-06-16 22:08

真田話もいいですがミオは大和話が好きです!!

前の日記のときから大和センパイにMOE…!!
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