ウブと恥ずかしセリフで5のお題
配布元（PC）【ホツレ】様
２次配布＆無断転写厳禁
03: 雅人×春香（トップキャスター８年前激ラブラブ設定）
珍しく誰も居ない局内
夕暮に照らされてムードだけはバッチリなのに可愛らしく響いた音に結城は苦い顔を隠さず見せた
「春香……」
ため息混じりに最近やっと呼ぶことを許された下の名前を呼んでみる
見た目より小さな方はビクッと揺れて、それが２歳も年上の彼女の仕草だと思えばいとしくて仕方ないのだが、やはり不満は消えず結城はじぃっと顔を見つめる
何見てんのよ、変態！！
バシっという音が自分の頭に弾ける
考えるまでも無く目の前の夕焼けと同じ顔色をした彼女にぶたれた
むむ、っと大人気なく（と言われてもまだ２０代だ）眉を吊り上げると彼女はふい、と横を向いた
恥ずかしいのだろうか、しかし誰が入ってくるとも知れない局内でよりにもよって変態は無いだろう、変態は
いくら俺がしがないADでものちのちの出世に響くんだけどー、責任とってくれるのかい椿春香さんよー
心の中でブチブチ呟いてみるのが、目の前の年上の彼女はそっぽを向いたままで此方を向こうともしない
「春香」
名前を呼ぶ
もう一度、もう一度
「春香、春香」
何度も呼ぶ、振り向いてもらえないのは承知
それでも、呼ぶ、何度も、何度も
「春香、春香――」
もっと欲しいと思う
それでも簡単には与えてくれない
だからこそ、とてもいと惜しい
この手を離したくない
守りたい、ずっと
見た目よりずっと小さなこの肩を、ずっとずっと
うっさいわよ馬鹿！！！
ドコ！！
先ほどよりも重く、そして悲惨なほどに重量を要する音が結城の鳩尾に響く
ちょっと、ちょっとちょっと、どこに何ぶちかましてんの？グーだよね、グー、いいの？グーって
ま、言いたいことは沢山あるが、一応年下男の面目躍如（ただの意地っ張り）として結城は無理やり微笑んだ
誰も居ない局内で二人きり
真っ赤に染まる夕日に染まる頑固な彼女
自称気障を名乗るなら、きっぱりと決めよう……殴られるのは勘弁だが
「そこ、くちびるじゃないんだけど」
控えめに言った言葉はアッパーカットで露に消えた
【03.そこ、くちびるじゃないんだけど】
コメント：要リベンジ
まだまだ修行が足りない
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